「ん…っ」
口を塞いだまま、なお御堂を愛撫する手は休まることはない。克哉の手は既に御堂の出した先走りによって濡れていた。
「んぐっ…んんんっ!」
何とか逃れようと必死になるがそれは克哉の御堂に対する嗜虐心をより刺激するだけだった。
唐突に御堂を愛撫していた手に力を込める。
「んんーっ……!」
御堂はその刺激によって反応し中心から精を吐き出していた。そして、同時に口に含まされていた物もそのまま呑み込んでしまう。
直後、ようやく塞がれていた唇が解放された。
「ん…はあっ………ぁ……」
「美味しそうに食べるじゃないか。」
御堂を嘲笑う厭みそのものの言葉。
「ここをこんなに濡らして…イくほど旨かったのか?」
さも愉しそうに口元に恍惚の笑みを浮かべ侮蔑の言葉を述べる。
「うぁ…や……」
違う、そんなことあるはずがない………
否定したいのに上手く声にならない。
こんな…こんなのは、嫌だ………
口腔を犯され無理矢理舌で食物を呑み込まされ…そして、憎むべき男の手によって達してしまった。
その上、今だに躰は男の欲望に貫かれたままだ。
力なく放心している御堂の躰を、克哉は腰を大きくグラインドさせ貫いた。
「あ……ひっ…………ぁ………っあ…………」
克哉が腰を動かしを突き上げる度、御堂の口からは喘ぎ声が漏れる。
杭は御堂の良いところを貫き、その都度内側から炙られるような感覚が沸き起こった。
「…んっ……ふ…ぁっ………」
溢れる声を抑えることも出来ぬまま、御堂の頬にはいつの間にか涙が伝っていた。
「泣くほど気持ち良かったのか、御堂」
「う……ぁ…」
そんなはず、ない。そう思っても口からはただ喘ぎ声が漏れるばかりで…
「いやらしい声を上げて涙まで流して…さすがですねぇ…」
淫乱な御堂部長………
そう克哉は御堂の耳元で囁いた。
「……っ…!」
屈辱、それ以外の何物でもなかった。込み上げてくる憎悪、悔しさ。自然と溢れる涙を、止めることなど出来なかった。
「あんたはそうやって、俺の下で泣いて善がっていればいいんだよ」
突きつけられたのは、御堂のプライドを踏みにじる言葉そのもの。聞きたくもない言葉が脳の奥まで入り込んでいく。
「認めろよ…自分は感じやすくて淫乱で、男のものを咥え込んで感じる変態だってことをなっ………!」
そして、克哉は自身によって、御堂の最奥を思い切り深く貫いた。
「ああっ…!」
瞬間、全身に沸き起こる強烈な快感。それと同時に中のモノが脈打ちどろりとした精が吐き出されるのを感じる。
それにさえ、御堂の躰は反応し全身に震えが走った。
そして、御堂は二度目の精を吐き出していた。ボタボタと、白濁が腹や顔にかかる。
「はぁ…は…っ…」
嫌だ…こんなのは嫌だ…………
認めたくない感じたくなどないのに、確実に反応を示す躰。痛みの次は快楽による支配。それは御堂の心も躰も蝕み反抗する気力さえ奪うもの。
「言えよ、"私は男の下で泣いて善がって感じる変態です"ってなぁ…」
そして言葉で脳髄までも犯される。躰も脳味噌も、そして精神すらも犯される感覚。
「や……」
言いたくない、言えるわけがない。だが、
「言え」
それはここでは、絶望的なまでに絶対的な言葉だった。
言いたくなど………ないのに…………
「わ、たしは………男の、したで………っく……」
そこまで言って、屈辱にまた涙が溢れた。
何故自分がこんな目に遭わなければならないのか。考えるのも嫌だ。もう嫌だ、何もかも………。
「どうした?早く言えよ。簡単だろう?」
さも愉しそうに言う男が憎い。無意識に御堂は克哉を睨み付けていた。
しかし、それはただ克哉を悦ばせるものにしかならなかったのだが。
「早くしろ」
有無を言わせない辛辣な言葉。拒否するすべなど、もうどこにもなかった。
「…っう………わ、私……は………」
そして、御堂は途切れ途切れに続きの言葉を口にした。
「男の下、で………泣いて、善がって感じる………へ………んた、い……です…」
御堂が恥辱と屈辱に塗れ口にした言葉は、克哉を十分に満足させるものだった。
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