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所有-今度こそ、共に。

"所有するという事"BESTEND後ルート3の分岐点からの続き。
幸せな話を目指しました。




うっすらと目を開けるとそこには白い天井があった。

(…ここは、何処だ…)

まだ私は、あの空間に居るのだろうか。
そう思ったが、どうやら違うらしい。
ゆっくりと周囲に視線を動かせば、自分の横に、誰かが居るのがわかった。

(ずっと、そこに居てくれたのだろうか…)

なんとなく、そんな気がした。
ぼやけた視界が徐々に晴れてゆく。
段々と見えてきたのは見慣れた、それでいて懐かしい顔…。

「さ…え、き………」

そう呼べば、驚いたのだろうか、奴は目を見開いた。
直後、私には佐伯が酷く泣きそうな顔をしているように見えたので、どうしたのかと笑ってやった。
そんな顔をするなんて、お前らしくもない。

(ああ、私は………)

戻ってこれたのだなと、そう思った。

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御堂が事故に遭った。

事故当時、御堂はタクシーに乗り会社まで向かう途中だった。
交差点を右折しようとした所で、スピード違反の車と衝突。相手の車は大破し、無残な状況だったらしい。

御堂が事故に遭ったと聞いたのは会社で仕事をしていた矢先の出来事。
御堂の分まで仕事をこなし、あともう少しで今日の分の仕事を終えようとしていたそんな時、会社にかかった一本の電話。
心臓が止まる思いだった。

急いで病院に駆け付ければ、そこには痛々しく頭に包帯を巻き、ベッドに横たわっている御堂の姿。

「御堂…!」

思わずそう呼ぶも返事はなく、静かに呼吸を繰り返すだけ。
医師には、もしかしたら意識を取り戻さない場合もあります、と告げられた。
そんな、嘘だろう………?
嘘だと言って欲しかった。
もし、ここでこのまま御堂が目を覚まさなかったらどうなる…?
考えたくもなかった。
一年前のあの出来事を思い出す。
俺が御堂を苦しめ傷つけた。
自分の気持ちにようやく気付き、これ以上傷つけるわけにはいかないと俺は御堂を解放した。
一年後、あれだけのことがあった後でも、御堂は俺の所に戻ってきた。
ようやく手に入れた、心。
新しく会社を興し、やっと全てが上手く行き始めたばかりだというのに。
御堂がいない会社に何の意味があるというのか。
二人で、お前となら全てを手に入れられると、そう思った。
やっと手に入れたと思ったら、あんたはこうやってまた、いとも簡単に俺から逃げるのか…?
そんなの…

「許さないからな」

丸一日、御堂は目を覚まさなかった。
もしかしてこのまま…などという嫌な考えを頭から必死に振り払う。
ベッドに横になって目を覚まさない御堂をまじまじと見つめた。
サラサラと艶のある髪に、極めの細かい肌。
すうっと通った鼻筋に、今は閉じられている紫の瞳。同じく閉じられたままの薄紅色の唇。
綺麗だと、改めてそう思った。
その綺麗な肌に、髪に、唇に、触れたい。
泣き顔が、少しはにかんだ笑顔が、怒って眉根を寄せた顔が、照れて頬を赤く染めた顔が、見たい。
今直ぐにでも―…
自然と、俺は御堂の頬に手を伸ばしていた。ゆっくりと、その肌に触れる。
刹那、御堂の長い睫毛がユラリと揺れた。

その直後、御堂の双眼がゆっくりと開かれた。
始めはどこか空を見ていた視線も、やがて、しっかりと俺の方に向けられる。
閉じられたままの唇がうっすらと開かれ言葉をつむいだ。

「さ…え、き………」

耳に響いてくるのは、聞きなれた、しかしとても懐かしい声。
そして御堂は、俺に向かってにっこりと微笑みかけた。
まるで、心配するな、とでも言うように…。

「…御堂っ」

その時の俺はどんな顔をしていただろう。
泣きそうな、みっともない顔をしていたのかもしれない。

「…良かった」

口に出た言葉は、たった一言の安易なもの。
しかし、心の底から出た思いだった。


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