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その果てにあるもの7

その果てにあるもの6続き




声が聞こえる。

頭の中に響く声。
それらは全て自分に向けられている。
罵倒、嘲り、叫び声。
しかし、俺はそれを聞いて楽しんでいる。
せいぜい泣いて喚いて許しを請えばいい。
そして結局は何も出来ず無力な自分を嘆くがいい。
俺に逆らっても無駄だと本当は分かっているんだろう?

頭の中で響く声が強まっていく。
そればかりでは耳障りだ。今度は嬌声でも聞かせてもらおうか。
痛みを、恐怖を、苦痛と感じるほどの快楽を。

わき上がる欲望は止まることなく膨れ上がり、渦巻く感情は黒にのみ込まれてゆく。
それと同時に脳内に強く響いてくる悲痛な叫び。
しかしそれすらかき消すほどのどす黒い感情が頭の中を支配する。
ぼやけた視界が全て黒にのみ込まれた、瞬間、あれだけ煩かった声がピタリと止んだ。

一気に思考が覚醒する。
目を開ければそこは狭く薄暗い部屋の中だった。
ヒヤリと頬に伝わる冷たい感触。そして自分がうつ伏せで倒れていることに気づく。
何時からここにいた・・・?
そう思うや否や起き上がろうとすればズキリと全身に痛みが走った。

「・・・っ」

痛みで全てを思い出す。
Mr,Rという男から受けた屈辱の数々。
思い出したくもなかった。思い出すだけで吐き気がする。

痛む身体を無理矢理に起こす。
いつの間にか手や足の拘束は外されており、衣服もここに最初に来た時の格好になっていた。
ベタベタとした気持ち悪い白濁の痕跡も今はない。
ただ全身に走る傷と痛みが、今まで受けた屈辱の全てを物語っていた。

「くそっ」

身体の傷を掻き毟ってしまいたい衝動に駆られたが何とかおし止める。
あたりを見回すがそこには誰の気配もなかった。
奴は、何処に行ったのだろうか。
初めて会った時から得体の知れない男だとは思っていたが、今でもその行動がまったく予測出来ない。
散々自分をいたぶったあとに、一体どこで何をしているのか克哉にはまったく知るすべがなかった。

消え失せろと言ったところで、解放しろと言ったところで、奴が俺を自由にするとは思えない。
いつ戻ってくるかも分からない。二度と戻ってこなければいい。
早くここから出る逃げ道を探さねば。

そう思い部屋を見渡すと、窓も何もない部屋にひとつだけ、酷く頑丈そうな鉄の扉があった。
扉。もしかしたらここから外へ直接繋がっているかもしれない。
しかしそれならもちろん鍵がかかっているのだろう。
ただ無駄だと分かりつつも、確かめることだけはしておいたほうがいい。
そうして、克哉は頑丈そうな扉に手を掛けた。
重たい取っ手を下に押せば、それはガチャリと音をたてていとも容易く扉が開いた。

「な・・・」

(これはどういうことだ・・・?)
そう思いつつも手は自然と扉を押し開けていた。
ギィ・・・と音をたて重たい扉が開いてゆく。
不信に思いつつも一歩前に踏み出せば、何に阻まれることもなく簡単に外に出ることが出来た。

そこは、どこかの狭い路地裏だった。
建物の影に隠れているため薄暗く、人気もない。
(何故・・・)
鍵もかけずに扉を用意しそこに放置していくなど逃げろと言っているようなものだ。
逃げられない、いや逃げないとでも思ったのか?
それとも・・・逃げると分かっていてわざと用意された逃げ道かもしれない。
そうだ、それが一番正しいだろう。結局は逃げ切れないと思っているのだ。
そして逃げた仕置きとばかりにまた散々嗜虐の限りと尽くす。奴の考えそうなことだった。

「随分となめられたものだな」

そう言って克哉は怪訝な表情を浮かべたが、そのまま前へと足を進めた。

ずっと思っていたこと。必ずここから出てやる、と。
このチャンスをみすみす逃すわけにはいかない。
これ以上奴の思惑通りにいってたまるものか。

先ほどから、近くで車の走る音が聞こえる。
このまま裏路地を出れば、大通りに出るにちがいない。

傷だらけの身体を引きずりながら、克哉は裏路地の外へと向かった。

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